梅毒トレポネーマという病原菌が、性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などによってうつる感染症です。
初期の症状として感染がおきた部位(主に陰部、口唇部、口腔内、肛門等)にしこりができたり、足の付け根の部分のリンパ節が腫れたりすることもあります。痛みがないことも多く、治療をしなくても症状は自然に軽快します。一方で、痛みを伴ったり「かゆい」と仰る方もおられ、痛みがあるから梅毒ではない、ということでもないようです。当院で治療実績のある方の調査では、半数が無症状でたまたま受けた検査で梅毒が発覚し、治療を開始しています。
手のひら、足の裏、体全体にうっすらと小さなバラの花のような赤い発疹(バラ疹)が出ることがあります。発疹は治療をしなくても数週間以内に消える場合がありますが、抗菌薬で治療しない限り、梅毒が治るわけではありません。この全身の発疹はアレルギー、風しん、麻しん等に間違えられることもあります。初期のしこりなどの症状は、気づかないか、自然に消えてそのままにしてしまう、ということが多いです。
血液検査で判定します。感染初期(感染して1か月未満の時期)は、血液検査の結果が正確に出ないため注意が必要です。
病原体が血液内に侵入し、それに反応して抗体というものができて初めて、正確な検査結果が出るので、感染直後や、病変(できもの)ができた直後には陽性とならないことがあります。
治療は抗菌剤を用いて行います。早期の薬物治療で完治が可能です。検査や治療が遅れたり治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。この期間は、無症状の時期も長く、また、特定の症状となりづらいことから、正確な診断が遅れてしまうこともあります。治療は完治するまでしっかり受けましょう。
予防に有効なのはコンドームです。ただ、完璧ではないことやオーラルセックスでも感染しうるので、「コンドームをしていればうつらない」ではないということに気を付けましょう。
診察時間 / 9:30~19:00
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