コンジローマ手術25年・7,000件以上の
切除手術実績(手術は新宿院で実施)
外用薬での治療・電気メス手術
2つの治療ができる数少ない医療施設
梅毒など稀な感染症治療もエキスパート
経験がものを言う梅毒の取材一覧
トレーニングされた医師・スタッフが
優しく丁寧に手術・治療を行います
池袋院
駅ちか(池袋駅から徒歩2分)
JRほか各線「池袋駅」33出口より徒歩2分
土・日・祝日・夕方も診療・手術
診察時間 / 9:30~19:00
24時間WEB受付(完全予約制)
休診日は年末年始のみ
尖圭コンジローマとは
はじめに
尖圭コンジローマは、HPV(human papillomavirus:ヒトパピローマウイルス)を原因とする性行為感染症の一つです。
肛門の周りや膣口、小陰唇の内側にできるイボ状のできもので、米粒ほどの小さなものからカリフラワー状に大きくなるものもあります。見た目は、ニワトリのとさか(鶏冠)に例えられます。
尖圭コンジローマはHPV感染症の中でも主に6あるいは11型の感染によって生じますが、日本ではほとんどがHPV6型の感染によります。性行為あるいはその類似行為によって感染します。尖圭コンジローマは性行為によってのみ発症する病気ではないため、乳幼児や性行為のない高齢者にもみられることがあります。
男女ともに下図のような
複数のイボができる
原因
感染経路
主に男女間の性行為による直接接触によって、皮膚や粘膜の傷からHPVが感染します。潜状期間は3週~8カ月といわれ、平均2.8カ月と言われています。性風俗的職業者(CSW : commercial sex worker)の患者さまにはオーラルセックスによる感染があり、口腔内に病変がみられることもあります。乳幼児にまれに尖圭コンジローマがみられることがありますが、乳児の場合は母親の膣内に尖圭コンジローマが存在し、新生児の喉頭や肛囲の粘膜部重層扁平上皮細胞にHPVが感染し、やがて尖圭コンジローマが同部位に発症する産道感染が考えられます。幼児の肛囲尖圭コンジローマは父親の陰茎・亀頭に尖圭コンジローマがある場合、ごく稀に入浴時、幼児にHPVが伝播されることがあります。
臨床症状
男性では亀頭、冠状溝、包皮、女性では大小陰唇、膣前庭、膣、子宮頸部、また男女の肛門周囲や外尿道口に好発します。口腔内に病変がみられることもあります。肛門周囲の尖圭コンジローマは表面が湿潤していることが多く、悪臭を放つことがあります。ときに黒色調丘疹が多発するため、Bowen様丘疹症との鑑別が困難なことがあります。通常は肉眼による視診で容易に診断がきます。病理組織学的診断に加え、PCR法のよる型判定によって診断を必要とすることもあります。
女性尖圭コンジローマとHPV6型
白色の乳頭状扁平病変からはHPV6型とHPV16型、HPV18型がDNA検査で検出されることがあります。
典型的尖圭コンジローマはほとんどHPV6型であり、たまにHPV11型によります。
扁平な乳頭腫は、高リスク型HPV、あるいは混合感染である可能性もあります。
HPV16型感染は発癌を誘導する可能性があります。
HPV感染と子宮頸癌
子宮頸部から40以上のHPVタイプが検出されており、低リスク型と高リスク型に分類され、また癌誘導能が不明のリスク不明型も存在します(表A)。低リスク型にはHPV6、11、13、32、40、42、44、55型が含まれ、尖圭コンジローマやCIN1(乳頭腫)を誘発します。高リスク型HPVは前癌期を経て発癌を誘発するタイプであり、HPV16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73、82型があります。
このHPV感染の多くは一過性です。
感染者(CIN1)の0.1~2%が癌になると推定されています。
HPV感染後にHPVに対する免疫が誘導されるか否か、女性ホルモンなどの促進因子の有無によって癌化するかどうか決定されます。
HPV6、11型は肉眼でも確認できる白色の乳頭腫病変を形成しますが、子宮頸部のHPV感染の多くは明らかな疣を形成しません。酢酸処理して初めて明らかとなる白斑病変(白色上皮)を形成します。
白色上皮は組織学的にはCIN1、2、3に分類されます。したがって、ほとんどの子宮頸部HPV感染病変は、HPV-DNA検査や酢酸処理後のコルポスコピー検査でしか発見できません。
表A HPVタイプについて
病変は白斑状であり、クレーター状や表面が微細乳頭状の白斑を示すこともあります。一方、前癌病変はやや厚みのある白色上皮、点状斑、モザイク状の白斑を呈します。
感染病変は、組織学的には乳頭腫や上皮内新生物(CIN1)と診断されますが、前癌病変はCIN2やCIN3と診断されます。癌になると易出血性の異常血管を伴う腫瘍を形成し、潰瘍を伴う場合もあります。組織学的には扁平上皮癌と診断されます。
尖圭コンジローマの検査・診断
医師の視診によって診断をつけますが、病理組織学的診断に加え、PCR法のよる型判定によって診断を要することもあります。
尖圭コンジローマの治療方法と費用
イボの大きさや数、これまでの治療の有無や回数などによって治療方法を選択していきます。
治療
外科的治療には、局所麻酔後の単純切除、CO₂レーザー、高周波電気メスによる焼灼がありますが、当院では電気メスによる焼灼を主としております。
クリーム塗布、すなわち外用療法として5-フルオロウラシリ軟膏など、欧米では1997年ごろから尖圭コンジローマの治療としてイミキモドクリームが用いられています。作用機序はtoll-like受容体(TLR)-7のリガンドとして作用し、ウイルス感染細胞にアポトーシス(自死)を誘導することが考えられています。日本では、2007年12月よりイミキモドクリームの使用が可能となりましたが、使用上の注意点を守らなければ、びらん、潰瘍、二次性細菌感染を来す可能性があります。尖圭コンジローマの治療終了後は数カ月間、経過を観察して再発があるか否かを観察することが望ましく、当院では手術による切除後の再発率はおおよそ2~3回であります。
①外用薬を用いた治療
塗った部位の皮膚の免疫力を高めて、ヒトパピローマウイルスの増殖を抑える作用があります。毎日ではなく1日おきに使用します。塗布してから6-10時間後洗い流します。
製薬会社の公式文書によると完全消失率は63.6%とされています。
費用(保険適用):診察代で1,000円前後、2週間分(6袋)の薬代は、3,000円前後
■外用薬のメリット
- 痛みが少ない
- 保険がきく
■外用薬のデメリット
- 治療が手間(週3回、病変に塗布する)
- 赤み、びらん、かゆみ、刺激感などの副作用がある(約20~80%)
- 完全に消える可能性が63.5%とそれほど高くはない
②電気メスによる外科的手術(新宿院で実施)
手術は新宿院にて後日別日に行います。手術前の診察、手術後の検診は全院で可能です
高周波電流のメスでイボを焼く方法です。手術前に局所麻酔をした上で、電気メスにより強力に尖圭コンジローマを焼き切ります。
費用(保険適用):5,000~10,000円
■電気メスによる焼灼法のメリット
- 最も強力
- 病変が大きく、広範囲にわたる場合、唯一と言って良い治療法
■電気メスによる焼灼法のデメリット
- 副作用・合併症として治療後に熱傷、糜爛、潰瘍、疼痛が生じることがある
イボができている場所や状態によっては、他の医療機関をご紹介する場合もあります。
再発率が高いので、根気よく治療を続けましょう。
予防
感染予防には性交の際にコンドームを使用することが必須ですが、性器以外の場所への感染まで完全に防げるわけではありません。もし、パートナーが感染していた場合は、自身も検査(診察)を受けましょう。もう1つの予防法としてワクチンがあります。当院でもHPVワクチンは取り扱っており、尖圭コンジローマの原因となるHPV6型、11型だけでなく、子宮頸がんの原因となるHPV型の約90%をカバーしています。
注意点
- 性感染症としての側面が強く、完治するまでは性交渉は控えるようにしましょう。
- 梅毒などの性感染症を合併している可能性があるので検査をしましょう。
- 再発率が高いので、治ったと思っても3ヶ月ほどは注意しましょう。
予約の流れ
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コンジローマ切除手術の流れ
(新宿院で実施)
①局所麻酔
腫瘍部分に局所麻酔をかけます。
②電気メスで強力に尖圭コンジローマを焼き切ります。
痛みはありません。処置は10分ほどで終わります。
③手術終了
手術後の検診に1~2回来院していただきます。
手術後の注意事項
当日よりシャワーOK
食事、飲酒、仕事に制限はありません。
7日目より入浴OK
痛みがなければSEX可
(再発など病変がある場合は不可)
14日後頃 診察予約
手術後の検診について
- 手術2週間後に切除後の傷口の確認をいたします。
また、コンジローマは再発をしやすい性質を持っているため、術後1~2ヶ月目にももう一度来院して頂いております。 - コンジローマは良性のウイルス疾患ですが、ごく稀に悪性のものが合併していることがあるため、病理検査(顕微鏡による検査)を提出しております。その結果については、手術2週間後の診察のときに医師からご説明致します。
梅毒とは
梅毒の診断と治療
梅毒は梅毒トレポネーマ(treponema pallidum subap.pallidum: T.p.)による感染症で、主として性行為や類似の行為により感染する性感染症(STD)です。感染症法では5類感染症全数把握疾患に定められており、診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出る必要があります。
・「梅毒」の感染数者が過去最高に
・20~30代の若い女性の感染が急増しています
病原体と感染経路
6~14施転のらせん状菌です。
T.p.は性交時および類似行為で皮膚や粘膜の小さな傷から感染し、感染局所で特有の病変を形成(第1期梅毒)した後、血行性に全身に拡散されます。感染後末治療のまま3年を経過すると、結節性梅毒やゴム腫を形成し(第3期梅毒)、10年以上を経過すると心血管系、中枢神経系に大動脈瘤、脊髄癆などの症状を発生させることがあります。
臨床症状
①第1期梅毒
感染後約3週間でT.p.の侵入部位である皮膚や粘膜などの感染局所で大豆大までの軟骨様の硬結を触れ、これを初期硬結と呼びます。単発であることが多く、色調は暗赤色で無痛性であります。女性では大小陰唇や子宮頸部に好発します。陰部外に生じた場合は陰部外硬結と呼ばれ、口唇、手指などに好発します。初期硬結はそのまま消失することもありますが、多く場合は周囲の浸潤が強くなり、中心に漬瘍を形成して盛り上がり、 硬性下疳(げかん)となります。やや遅れて鼠経リンパ節などの所属リンパ節が片側あるいは両側に無痛性に腫脹することが多く、無痛性横痃(おうげん)と呼ばれます。第1期疹は放置しても数週間で消褪し、第2期疹が出現するまで無症状となることが普通です。
②第2期梅毒
T.p.は血行性に全身に撒布され、頭痛、全身倦怠感、発熱などの全身症状が出現した後に、皮膚・粘膜に多様な症状が出現します。感染後6週間から6カ月で症状が現れることが多く、典型例では梅毒性ばら疹が感染後約9週ごろから出現、淡紅色斑で白色人種では頻度の高い症状です。バラ疹は数週間で消褪したのち、数週間で丘疹性梅毒となります。第2期疹の中でもっとも多い病型で特徴的な形態を呈するため、診断には苦慮しません。 扁平コンジローマはT.p.が多量に存在するため有力な感染源です。
③第3,4期梅毒
梅毒が未治療のまま経過した場合、感染3年後以降は血中のT.p.は消失し、感染力はほとんどなくなります。第3期梅毒疹である結節性梅毒、ゴム腫は浸潤性結節を呈し、限局性、非対称性かつ破壊性で瘢痕を形成します。病理組織学的に肉芽腫が真皮に限局するものを結節性梅毒、皮下組織以下までに達するものをゴム腫とすることが普通です。
梅毒の時期別症状
検査・診断
①T.p.の検出
T.p.の検出は初期硬結や硬性下疳の表面をメスで擦り、絞り出した漿液をスライドグラスにとります。感染後約4週間の梅毒血清反応が陰性である第1期疹の診断に有用な検査です。
②梅毒血清反応
脂質抗原法(serological test for syphilis:STS法)はリン脂質であるカルジオリピンを抗原として用いた方法で、ガラス板法、RPRカードテストなどがあり、疾患活動性と相関する傾向にあり、経時的な測定が治療効果の判定に有効です。T.p.抗原法にはT.p.を抗原とするTPHA法やFTA-ABS法があります。疾患活動性や治療効果と相関せず、一度陽性になると生涯陰性化することはありません。
STS法陰性(RPR)、T.p.抗原法陽性は治療後の梅毒または高齢者に多い過去の梅毒が考えられます。STS法陽性、T.p.抗原法陽性は早期から晩期までの顕性梅毒もしくは梅毒治癒後の抗体保有者であり、RPR、TPHAの定量を行います。STS法のガラス板法では8倍までを低値、64倍以上を高値と解釈します。
STS(RPR)、T.p.抗原(TPHA)
梅毒血清反応の解釈
治療
抗生剤(500mg×3/日)を投与しますが、投与期間は第1期では2~4週間、第2期では4~8週間、ペニシリン・アレルギーの場合は塩酸ミノサイクリン(100mg×2/日)を副症状として治療開始の数時間後に39℃前後の高熱、悪寒、発疹の増悪などがみられることがあり、Jarisch-Herxheimer現象と呼ばれ、早期梅毒で比較的高頻度で生じます。梅毒の治療効果がSTS法の抗体価と相関することから定量結果が8倍以下となること、もしくは加療前の抗体価の1/4以下となることが指標です。
初期硬結(しょきこうけつ)
初期硬結は、皮膚粘膜から感染後、3~90日、平均3週間の潜状期のあと、感染した局所にTreponema pallidumが増殖し、軟骨用の硬さを有する無痛性の硬結として出現します。多くは単発であるがオーラルセックスによるものでは多発します。女性では陰唇、子宮頚部に出現することが多いです。
硬性下疳(こうせいげかん)
硬性下疳は初期硬結が潰瘍化したものですが、疼痛はありません。近年、性行為の多様化に伴い口腔内や咽頭、頸部を含めた外陰部以外の発生例や多発例、最初から硬性下疳として発症する例が増加していて、無痛性です。
無痛性横痃(むつうせいおうげん)
鳩卵大までの腫脹したリンパ節の集塊を触れ、圧痛はごく軽度です。反対側の鼠経部リンパ節も同様に腫脹することがあります。(無痛性横痃)初期硬結、 硬性下疳に伴う所属リンパ節の腫脹は通常痛みがなく、 無痛性横痃と呼ばれ両側性に生じます。 下疳のみで横痃を伴わない場合や、逆に横痃のみのこともあります。
梅毒性ばら疹(ばいどくせいばらしん)
梅毒感染後約3カ月から3年にかけて梅毒2期疹が出現します。この時期に多彩な梅毒特異的な皮疹が生じます。ばら疹は第2期のもっとも早い時期にみられる症状で持続性ではなく、数日ないし数週間といった一過性に生じるため見過ごされることが多いです。臨床的に軀幹と四肢の屈側に爪甲大までの播腫状の淡い紅斑が出現し、発熱、関節痛、リンパ節腫脹が併発、先行することがあります。注意すべき点は、抗生剤の内服によるJarisch-Herxheimer 反応で同時期に生じた梅毒性ばら疹を薬疹と誤診することです。
丘疹性梅毒(きゅうしんせいばいどく)
①自覚症状に乏しい小豆大までの暗紅白丘疹がゴム様硬の丘疹
②膿疱性梅毒・梅毒性爪囲炎併発。
頭部に丘疹が出現し、1カ月前より掌蹠に。鱗屑性紅斑。頭部には痂皮を有する紅色丘疹が多発しており、一部は膿疱を伴います。手掌、手関節には鱗屑性紅斑、丘疹などを伴います。
丘疹性梅毒は梅毒2期疹の典型的症状であり、感染後約12週で生じます。小豆大~豌豆大の赤掲色丘疹を呈し、体幹に好発しますが、顔面、四肢にも生じます。
梅毒性乾癬(ばいどくせいかんせん)
手掌、足底に皮疹が出現し鱗屑性紅斑が多発。
梅毒性乾癬は第2期梅毒の代表的症状です。皮疹は赤掲色の紅斑として初発して、経過とともに浸潤を伴い、 鱗屑を有するようになります。梅毒2期疹のうち約20%を占める主症状です。
扁平コンジローマ(へんぺいコンジローマ)
扁平コンジローマは第2期梅毒の臨床症状の1つで、陰嚢、陰唇、肛門周囲などの間擦部位に好発し、湿潤した紅色の扁平隆起性丘疹として出現し、融合し台形状の結節をつくることも多いです。多量のトレポネーマが存在し、感染性が高い。単独で生じることは少なく、他の第2梅毒の発疹と同時にみられることがほとんどです。
梅毒性粘膜疹(ばいどくせいねんまくしん)
舌側縁に乳白色を呈する粘膜斑と下口唇粘膜に多発性のアフタ様の比較的浅い潰瘍がみられます。粘膜疹は第2期疹として梅毒性ばら疹、梅毒性乾癬、扁平コンジローマなどを伴うことが多いです。自覚症状として痛みは軽度です。ペニシリンの投与で容易に症状が消失することが多いです。
梅毒性脱毛(ばいどくせいだつもう)
両側眉毛外側の脱毛あるいは眉毛はほとんど脱落します。治療後に、脱毛・脱落した毛は生えてきます。
梅毒性アンギーナ(ばいどくせいあんぎーな)
両側扁桃に一致して境界鮮明な発赤の強い粘膜斑があり、その周辺ならびに口蓋垂にも発赤が生じます。
多形紅斑(たけいこうはん)
手掌や足底に境界明瞭な滲出傾向を伴う紅斑が多発します。ペニシリン投与開始で皮疹は速やかに軽快することが多い。
結節性梅毒(第2期)(けっせつせいばいどく)
顔面、手掌に丘疹が多発性に出現し、消褪と新生をくり返します。顔面に大小不同の丘疹、結節を認め、左頬部には径22mm大の暗赤色調結節を認め、中央は壊死し陥凹し、結節性梅毒は3期梅毒に分類されます。
8カ月前に性交渉歴あり。1カ月程前から四肢、軀幹に軽い瘙痒を伴う紅斑が出現し、頸部などに拡大。皮疹は鱗屑を伴う浸潤性暗赤色紅斑で、表面は一部顆粒状で、丘疹も混じていました。
肉芽腫性炎症は第3期のみならず第2期でも同様にみられます。
梅毒性ぶどう膜炎&ハッチンソン歯(ばいどくせいぶどうまくえん&はっちんそんし)
梅毒性ぶどう膜炎は、第2期以降梅毒の約5%程度で、比較的稀な疾患であるが、多様な眠症状がみられます。
ハッチンソン歯は永久歯の上顎中切歯2本が小さく、ビール樽󠄀形になり、歯冠は下方から楔状に切れ込みがあります。晩発性先天梅毒でよく見られます。幼少時より夜盲症があり、視力低下亢進のため眼科を受診し、先天梅毒性網脈絡膜萎縮 atrophia retinochorioidea e lue congenitaと診断されることがあります。
発表論文
女性の梅毒患者の早期診断におけるPCR検査の有用性についての検討
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ヘルペスウイルス感染症
はじめに
性器の単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:HSV) 1型(HSV-1) または2型(HSV-2)の感染によって発症する性器ヘルペスは、代表的なウイルス性性感染症です。
性感染症の中で女性では性器クラミジア感染症に次いで第2位に位置します。
HSVは感染後知覚神経節に潜伏感染し、時々再活性化されて再び皮膚・粘膜の表面に現れ再発するとともに感染源となります。潜伏しているHSVを排除できる薬剤はありません。
制御がむずかしい性感染症です。
臨床症状
①初感染初発
HSVに初めて感染して発症する場合です。感染の機会があってから平均3~5日(2~21日)の潜伏期の後に発症することが多いです。発症前に外陰部の瘙痒感などの症状を呈することがあります。比較的突然に外陰部に浅い潰痬や水疱が出現します。病変の数は数個から無数のものまであります。一般的にはまず水疱ができ、これが破れて潰瘍またはびらんになりますが、粘膜面は最初から潰瘍またはびらんになることが多いです。外陰部の疼痛は排尿や椅子に腰かけることもできないほど強く、ときに歩行も困難となります。両側の鼠径部のリンパ節の腫脹圧痛はほぼ必発です。約6~7割に発熱、全身倦怠感などの全身症状を伴います。女性では約3割に,男性では約1割に無菌性髄膜炎を併発するとされています。これらの例では、髄膜刺激症状のため頭痛や項部硬直、ときに羞明感を訴えます。また、Elsberg症候群として知られている仙骨神経根神経障害を併発し、排尿排便困難となり、ときに尿閉に至ることもあります。
髄膜刺激症状やElsberg症候群はHSV-2感染例がHSV-1感染例よりも明らかに多く、HSV-2の好神経性がうかがわれます。
抗ヘルペスウイルス薬を投与すると約1週間でかなり軽快します。
②非初感染初発
すでに無症候のうちに知覚神経節に感染していたHSVが再活性化され発症したものです。したがって、発症時にHSV lgG抗体は陽性です。症状は前述の初感染と同様ですが、より軽く病変の数もより少なく、鼠径リンパ節の腫脹の頻度も少なくありません。発熱などの全身所見はみられず、治癒までの期間も短く、全体としてより軽症であることが多いです。
③再発
以前に発症したことのある患者が再び発症した場合を再発としている。知覚神経節に潜伏感染しているHSVの再活性化によって発症します。大体同じ部位に再発することが多いですが、ときに別の部位に再発することもあります。病変は小水疱や潰瘍性病変が1~数個出現します。発熱することもなく鼠径リンパ節が腫脹することは少ないです。多くは1週間以内に自然治癒します。再発する前に大腿語後面に神経痛様の疼痛があったり、再発する局所に違和感を感じるなどの前兆が約30~50%の患者にみられます。再発の頻度はHSV-2感染例のほうがHSV-1感染例よりもはるかに多いです。
HSV-2感染例は1年以内に約90%が再発します。
文献的にはHSV-2発感染例の再発頻度について、38%は年間6回以上で20%は10回以上再発するといわれます。
再発の契機となるのは、心身の疲労、風邪などの発熱、女性では月経などが多く、これらが全身や局所の免疫能の低下をもたらすからではないかと思われます。
外陰部には病変がみられず子宮頸部にのみ病変がみられることがあります。性器には何の病変もなく尿道炎症状を呈することがあります。神経症状のみを呈するMollaret髄膜炎のような場合もあります。再発の前兆としての大腿後面の神経痛様の疼痛がとくにつらいという患者もいます。
何ら症状を呈しないでHSVを性器に排泄している無症候性ウイルス排泄者も多いです。性器ヘルペス患者の性的パートナーの約70%は無症候であるといわれています。
性器以外に、指、乳房、臀部、肛門などにも感染が成立し、症状を呈します。
性器ヘルペスの感染病理
性器の微小な傷から侵入したHSVは、局所で増殖した後、知覚神経末端に入り、ここから知覚神経を上行して後根神経節である仙髄神経節に至ります。ここでさらに増殖する一方で、潜伏感染状態に入ります。潜伏状態から再活性化したHSVは再び知覚神経を下行して外陰に至り、ここで増殖して病変を形成します(症候性感染)。しかし、多くは免疫によって増殖が抑制され病変を形成することはないらしいです(無症候性感染)。
初感染が無症候に終わった場合でも何らかの免疫能の低下に伴い再活性化されたHSVの増殖をゆるすことになり、ここで発症します。
この時はすでにHSVには感染しているので、lgG抗体は発症時には陽性です。
性器にはHSV-1とHSV-2が感染します。
初発ではHSV-1が54.3%、HSV-2が45.7%でHSV-1のほうが多い。一方、再発ではHSV-1が13.7%であるのに対しHSV-2が86.3%と、圧倒的にHSV-2のほうが多い。
性器ではHSV-1に比べてHSV-2のほうが潜伏感染しやすく、また再活性化されやすい。このことは世界的にコンセンサスが得られています。
検査法
病原診断
HSVまはたHSV抗原やDNAを検出して診断するものです。分離培養法がgold standardであり、感度と特異度がともに優れていますが、時間と費用がかかります。蛍光抗体法により感染細胞を検出する方法は時間もかからず簡単で、保険適応もあるよい方法ですが、性器ヘルペスのような小さい潰瘍性病変では感染細胞が採取しにくく、したがって感度が大変悪いです。
人口の約半数は不顕性感染によりHSV抗体を有しているので、HSVに対する抗体が陽性であるからといって当該の外陰病変をヘルペス性病変と決めてはならない点です。
性器ヘルペスの治療
抗ヘルペスウイルス薬としてヌクレオシドアナログであるアシクロビル(ACV)とアシクロビルのプロドラッグであるバラシクロビル(VACV)が有効な治療薬として効果をあげています。いずれも性器ヘルペスに著効を示します。
VACVはACVのプロドラッグで腸管の吸収がよく、1日2回の服用でよくコンプライアンスがよくなりました。
①初発
一般に初発(とくに初感染初発)は症状が強く病変が広いうえ、抗体が陰性であるため治癒までの時間もかかります。投与期間は本邦では5日間とされています。
HSVは外陰の病変が軽快しても仙髄神経節ではなお増殖しています。
仙髄神経節の潜伏感染しているHSVの量が、その後再発のリスクに関係していると考えます。
現在の薬剤は潜伏感染状態のHSVを排除することはできないので、抗ヘルペスウイルス薬によって治療してもその後の再発は免れません。髄膜炎を合併したり、外陰の病変が広く、排尿痛が強く日常生活が困難な場合、末梢神経麻痺による尿閉などを合併する場合は、入院させてACVの点滴治療を行い、尿閉には膀胱への留置カテを入れ、QOLの改善に努めています。
②再発
再発例は一般に症状が軽いです。
再発の治療は、発症してから1日以内できれば6時間以内に投薬すると有意な治療効果が得られるので、あらかじめ患者に薬剤を渡しておいて再発の前兆があった時に服用させると発症しないことも多い(patient initiated treatment, 先制療法)ので外国ではしばしば行われていますが、本邦では保険の適応はありません。
③再発抑制療法
再発を抑制するべく持続的に抗ウイルス薬を服用する抑制療法(suppressiv treatment)が開発され、良好な効果を得ています。本邦では2006年9月より、バラシクロビル500mg 1日1回投与を継続する再発抑制療法が保険で可能になりました。抑制療法中でも再発することはありますが、その症状は軽いこともわかっています。さらに、抑制療法を行った時にはHSVの排泄も抑えられる結果、パートナーへの感染率も約75%抑えられることも証明されています。すなわち、本療法により患者本人にとっては再発を減らすことによりQOLが改善されるだけでなく、他人への感染させるのではないかという心配もある程度解消できます。副作用が心配になりますが、現在のところ問題となる副作用は知られていません。
- 対象はおおむね年6回以上の再発例。
- 実施する場合
1年後には一度中止して再発するか否かを見極め、もし2回以上再発した場合は継続を検討します。 - 女性では妊娠が判明した時点でとりあえず中止します。
これは、妊娠初期に本療法を続けていても安全であるというデータがまだないためであり、催奇形性が指摘されているわけではありません。現在ま本療法中に妊娠した妊婦から異常児が出生したという報告はありません。
性器ヘルペスの症例
例①HSV-1による初感染初発
7日前に性的接触があり、オーラルセックスもありました。2日前より外陰の疼痛と排尿痛があり当科を受診しました。
当初、外陰に水疱が多発し、潰瘍性病変はほとんどありませんでした。
水疱はまもなく浅い潰瘍となりました。初診時の血清抗体は陰性で、HSV-1の初感染による性器ヘルペスと確定しました。
感染源はパートナーの口腔の単純ヘルペスウイルスと考えています。
女性の性器ヘルペスは大部分が浅い潰瘍性病変ですが、潰瘍になる前には短期間水疱を形成することもあります。性器ヘルペスにはしばしば真菌症が合併します。
例②HSV-2による初感染初発
11月下旬に性行為がありました。パートナーは異常はありません。12月はじめごろより外陰痛が出現しました。
ウイルス分離検査では、外陰と子宮頸管からHSV-2が分離されました。
例③HSV-2による初感染初発
11月中旬に性行為があり、6日後に強い排尿痛がありました。
両側小陰唇に多発性の浅い潰瘍がみら、子宮頸部にも浅い潰瘍がみられます。
両側の鼠径リンパ節は膨張し圧痛を認め、HSV-2が外陰と子宮頸管から分離されました。
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池袋レディースクリニック
-産婦人科-
【電話予約時間】 9:30~19:00
所在地 | 〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-10-1 住友池袋駅前ビル3F Google Mapを見る |
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アクセス | JRほか各線「池袋駅」33出口より徒歩2分 |
休診日 | 年末年始・ビル休館日(1年に1度)のみ |